加賀白山2702m

14年
02/04/28 残雪の白山は山スキーの天国
02/04/29 槍穂高連峰からの日の出を鑑賞し下山へ


02/04/28(残雪の白山は山スキーの天国)

別当出合の駐車場 別当出合の休憩所

 土曜の昼に学校が終わり大阪を車で出発した。ゴールデンウィークだから
さぞ混んでいるだろうと思いきやそんなには混んでいない。八尾から近畿道
にのり京都東で下りて湖西バイパスにて福井を目指した。七時には白峰村に
着くだろうと思っていたけれど思いのほか時間がかかってしまう。

中飯場付近 中飯場より甚ノ助小屋を目指す

 福井市で夕食を食べ国道416号で勝山へそして国道157号で白峰村に入った。
村へ入ると白山登山口の道標があるのでそれに従い進んでいく(県道33号)。
右手に温泉がでてきた。白峰村がやっている天望の湯という日帰り温泉だ。
帰りに疲れをとるのにすごくよさそう。谷間の細い舗装路を進んでいくと市
ノ瀬登山口に到着した。すごく広い駐車場がありそこには車がたくさんとま
っている。

鳩が休んでいた(?) 単調な雪原の登りが続く

 調べた情報では市ノ瀬までしか道路は開通していないとの事だったがひょ
っとしたら別当出合まで開通しているかもと思いさらに車で登ってみること
にした。駐車場を出て別当への林道にはゲートはなくすんなり入れた。とい
うことは別当出合まで行けるのでは?という期待がでてくる。狭い道をぐん
ぐん登っていくと道端にいっぱい車がとまっている。ここから先はゲートが
閉じられいけなくなっていた。

どこでもスキーできそうな感じ 別山はガスの中

 ゲートから続く道以外に下っていく道があり駐車場とあるので行ってみる
とそこにも車がとまっている。車を降りてみると別当出合登山口四百メート
ルとのポールが立っていた。ここが間違いなく別当出合の駐車場だった(午
後九時半)。これで長い舗装路歩きをせずに済む(ラッキー)。目覚ましを
朝の四時半に設定し車中泊をした。

 翌朝起きると青空が見えてはいるけれど低い雲が多い。昼になったら消え
てしまいそうな雲だけれどどうかな?予報は曇後晴だったから大丈夫だろう
が。5時10分に準備をし登山口をめざし出発した。ひさびさの十キロ越なので
慎重に登っていく。山腹を登っていくとすぐに登山口に着いた。みーとさん
がここにはきれいな水洗便所があると言っていたがカギがされていて冬用の
普通のトイレしか使えず。休憩所がありそこにも人が泊まっていた様子があ
る。

黒ボコ岩付近 山頂がガスで見え隠れする

 トイレ休憩した後、いよいよ登山道へと入っていく。登山口には航空写真
がありわかりやすく登山道が記されている。これで見たらすぐのような気が
するけれど標高差千七百メートルはダテではないだろう。石畳の階段を沢へ
と下っていく。室内クライミングで痛めた膝がもう痛くなってきた。沢沿い
に歩き川にかけられた30メートルほどの吊橋を渡る。

 背後には大長山が見えている。一方の白山には低い雲がかかっていて全貌
は見ることはできない。つづら折りに沢を登りやがて柳谷にそって登ってい
く。このあたりはまだ残雪は少ない。右奥には柳谷南壁が険しくそそり立ち
滝が轟音を立てている。砂防ダムや土石流防止の工事がされている。頻繁に
土砂崩れが起こっているようで登山中にも何度も小さな土砂崩れが起こって
いた。

こんなものしか作れず(?) 去年に比べると積雪は少ないそうだが

 ブナ林の中を登っていくと道は尾根へと登っていくようになった。中飯場
を目指しているようだ。残雪がしだいに多くなり雪を踏みしめての登山とな
ってきた。片方が切れていて少し気を使う所もある。

 前を歩いている人が道を離れ山を直登しはじめたのでそれについていく。
地図を見ても上には林道が走っており適当に登ってもそれに出ることができ
る。後からやってきた人達もみんなついてくる。遠回りじゃないの?とみー
とさん、確かにそうかも・・。

室堂の避難小屋

 林道に出てきてここで休憩。東には中飯場の小屋とテントがみえる。小屋

には寄らず林道をさらに登っていき登山道へと再び入っていった。残雪の山
腹を登っていくとすぐに幅広い尾根へとでてきた。ここから甚ノ助小屋まで
ひたすら尾根を登っていく。すごく幅が広いのでガスにまかれ雨が降ると迷
いそうな感じがある。天気はあまりよくないが視界は良好だし雨が降る気配
はないので今日はまったく問題なく登っていける。右手に見えるはずの別山
はガスでみえない。

 いつもお手軽日帰りハイクばかり行っているので高々十キロ少々なのにか
なりシンドイ。激登りではないものの上のほうはガスでみえずどこまでも続
くような尾根の登りが続く。右に見える尾根が崩壊しておりガラガラ音を立
てて崩れている。左の尾根がだいぶん低くなってきた。やがて火山特有の尾
根というよりも裾野といった方がいいような地形に変ってきた。

御前峰山頂にて 御前峰より弥陀ヶ原

 多くの人が登っておりその八割ほどがスキーを背負っている。滑れそうな
斜面だらけだ。もうそろそろ甚ノ助小屋が見えるはずとみーとさんが言って
いる。その通り、屋根だけが上に出ている(8時52分)。後で聞いた話によると
2階から入れるから使用可能との事。小屋の近くにテントを張っている人がい
る。けっこうな賑わいだ。

 ここから激登りがはじまるよとみーとさん。その通り、かなりキツイ。木
が少なくなってきたので一応GPSを起動させておく。まるでスキー場のような
広い雪の斜面を登っていく。でも初心者スキーヤーにこの急斜面は酷かな。
激激登りをいったん終え這い松?の中の道をトラバースしふたたび登ってい
く。こちらの方がさきほどのよりキツイ斜度でしかも長い。アイスバーンな
らけっこうコワそう。今回は雪が腐っていてしかもステップがしっかりつい
ているので安心して登れる。

 ふたたび背の低い這い松?の中を通ると尾根(らしい尾根)にでてきた。
ここに来るまでに南竜小屋への分岐があるはずだったがわからなかった。右
斜面はかなり急なのでガスで迷って落ちららタダでは済まされないだろう。
黒ボコ岩付近まで来たところで左にテントを張っている人が二組いた。ぼく
らもこのあたりに雪洞を掘ろうと少しあがった所に良いところを見つけそこ
でザックを降ろした(10時)。雪が少なく掘るところをいろいろ考え穴掘りを開始。
ホームセンターで五百円で買ったスコップだからか掘りにくい。

 凍っているし雪は少ないしはじめての雪洞作りなのでかなりイビツなのに
なってしまったけれど2時間以上かかりなんとか入れるようになった。雪洞作
りがだいたい終わったので頂上へ向かうことにした。

 登っている時よりもいくぶん展望がよくなり頂上がみえるようになってき
ている。尾根を登りきりいったん軽く下り弥陀ヶ原へと入った。千ヶ峰愛
好会の方がGWにホワイトアウトでビバークしたと言っていたがここもたしか
にガスって雨とかでトレースが消えると迷いそう。

前方に見える高みに室堂の小屋があるはずだがまだ見えてこない。もうかな
り足にきていてそんなに急なはずはないけれどなかなかペースがはかどらな
い。頂上に登っていく人やスキーで気持ちよさげに滑っている人達がみえる。
みんな適当に登っていったり下っていったりしているようだ。すごくひろい
雪原を横断しさっきの高みへと登ると屋根だけが上にでた小屋がみえてきた。
一日の開業を前に多くの従業員が小屋を掘り起こしている。

御前峰が夕日に染まる 夕暮れ

従業員の人に聞くとトイレは使用可能で開業前、つまり30日までは避難小屋
は無料で使用できるとのことだ。避難小屋の中を2階の入り口から覗いてみる
といっぱいザックが置いてある。今日はかなりの人が泊まるようだ。

室堂から頂上まで一時間ほどかかるがみーとさんはガスで展望がないのと疲
れていて行きたくない様子だ。それをなんとかなだめて登っていく。頂上に
は人がいるのがみえるのだけれどなかなかたどりつけない。直登している人
もいるがかなりきつそうだったので左へ一度巻いてから登っていく。頂上が
近くなると残雪がなくなってきた。そして頂上に到着した(14時55分)。

別山が見えてきた 雲海に沈む太陽

剣ヶ峰や大汝峰、三方崩山などが見えるが残念ながらやはり遠望は利かない。
南には弥陀ヶ原の大雪原が広がっている。もう時間が遅いのですぐに下山
する。頂上より南へ下り途中から尻セードで滑りおりて室堂へ。そこから
弥陀ヶ原を横断し雪洞までもどってきた。

雪洞を整えて夕食を食べコーヒーを飲みのんびり休憩しているとだんだんガ
スがとれてきた。そして日の入りが近くなると別山方面や赤兎山などが見え
始め周囲には雲海が広がりはじめた。おかげでひさしぶりにすばらしい日の
入りを拝むことができ大満足。夜になるとガスはすっかり消え月に照らされ
た別山と雲海が美しい。無風でそれほど気温は下がらず暖かく眠ることがで
きた。

白峰村方面

私のコースタイム(休憩含))別当出合登山口-290分-黒ボコ岩・
              黒ボコ岩-120分-頂上-60分-黒ボコ岩
                


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