伯耆大山1729m

 平成27年(2015)
15/07/12 花と雲海のユートピアへ
 平成28年(2016)
16/01/03 ユートピアから象の鼻へ
16/02/04  吹雪とホワイトアウト(夏山登山道)

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16/01/03


 12月26日に続いて伯耆大山に登ることにした。当日の天気予報は午後からよくなる予報だ。山の天気は回復が遅れることを考慮して当日に本命のユートピアへ登るか
どうか決めることにした。 夜9時過ぎに東広島を出発して国道375号で三次へ。三次東から庄原まで中国道を利用して庄原からは地道で道後山のふもとを通って大山を
目指す。道後山のふもとにきてやっとうっすらの雪が残っている状態だ。今年は雪がない。

 江府のコンビニで食料を購入し溝口で国道181号から県道45号を経て南光河原駐車場に到着した。駐車場はシャーベット状の積雪状態ではあるけど凍結はなくあっけな
く着いた。駐車場はとてもさみしくて車は一台しかとまっておらず。到着したのは午前1時。その車の男性は夜間登山をするようで一人で夏山登山道登山口へと向かって
いった。

 気温は6度。溝口から高度を上げていくと下がるかと思いきや変わらず。おかげで前回と違い寒さで眠れないということはなかった。快適に眠れたおかげで少し寝過ご
して7時半に起床した。駐車場は6〜7割埋まっている(奥はすいている)。橋から山を見るとガスに隠れている。26日より雪が少なく気温が高い。「正月なのでトレースはあ
るだろう、もしなければ元谷から夏山登山道へ向かえばいい」と考え8時10分に出発した。駐車場代は下山した時に払うように管理人から言われた(1000円)。

 トイレ前にある提出口にある用紙に記入し登山届を出して8時10分に登山を開始した。一人ユートピアを目指し橋を渡りモンベルのところから旅館街へ。ワンタッチのス
パイクを靴にセットしたら滑らず安心して歩ける(が耐久性が心配なのでチェーンスパイクがほしい・・)夏山登山道へ向かう人はたくさんいるけどユートピアを目指してる
ハイカーはいなさそう。

 大山寺への参道には雪はなし。大神山神社まで来ると屋根がうっすら雪化粧をしている。いつも通り右側から登っていく(8時40分)。五分歩くと元谷分岐だ。ここで元谷
へのコースから外れて道標に従いユートピアを目指す。地面に雪がチラホラ残っている。とても滑りやすくていつも難儀するところだけどスパイクのおかげで楽ち
ん。

 9時に林道を横切りユートピアコース登山口(下宝珠入口)との道標に従い谷へと入っていく。尾根上はガスがかかっている。雪が多くなってくる。ここでトレースを発見し
た。何人かこの正月に登っているようだ。谷を登っていくとやがて支尾根上へ(赤テープ有)。残雪で少々わかりにくくコースアウトしても基本的に上へ進むとそれほど苦
なくして尾根上へ出れるはず。

 9時半に下宝珠越へ到着した。ガスがうっすらかかっていて風も吹いている。でも一瞬青空が見えた。ということはいずれは晴れてくるだろう。雪の上をほぼ歩くようにな
る。今日の踏み跡もある。右下には元谷がみえる。いつもならこの時期は真っ白なのだろうが黒い地肌が縞模様のように見えている。少しずつ高度を上げて行き下宝珠
越から半時間のところで左にガスで上が隠れた三鈷峰が見えてきた。雪景色の三鈷峰は迫力があり大きく威圧するような感じに見えた。続いて大山北壁も樹間から見え
る。こちらも上はガスに覆われて雪が少なく地肌が見えているが迫力がある。


 10時10分に新しい道標(下宝珠越・上宝珠越)が出てきた。ここからぐんぐん下っていく。ロープもでてくるけど凍結しておらずそのままアイゼンを装着せず下っていく。下
りきると慰霊碑がありその先にはガレ場がある。日当たりが良いためか雪はあまりない。左の谷は雪に埋もれている。春に来ると残雪が残っていてひんやりとした気持ち
の良い風が吹きあがるところだ。

 この辺りからしばらくロープ場・岩場が続く。凍結していたらとても嫌なところだろう。尾根の左側をトラバースするように登山道は続く。鞍部から急登になる。日蔭になると
ころなのか雪が多くて岩が露出しておらず夏場より楽に登れる。

 溝状のロープが張られた岩場も雪に埋もれている。これを登りきると北壁が眼前に大きく広がるがガスに覆われてしまっている。三鈷峰も隠れていたけどすぐにガスが
とれ山頂まで見えた。大きく荒々しい。ユートピアの避難小屋も見えるがいったいどこを通っていくのか・・。細い尾根上を進む。避難小屋手前に歩いているのが見える。

 溝状のロープのつけられた岩場(雪で覆われている)を登りきると右側が崩落した危うい尾根上だ。でも雪が少なく凍結もしていおらず無積雪期とあまり難易度は変わ
らない。ガレ場を登りきると360度の大パノラマだ。大山北壁が荒々しい。三鈷峰は全貌が青空を背景に見えている。振り返ると登ってきた尾根が見えるが雪があるため
かえらくとがって見えている。剣ヶ峰あたりの稜線は真っ白で霧氷で岩々が覆われている。

 ガレ場を過ぎると上宝珠越だ(11時15分)。危険につき立ち入り禁止とありロープがこれでもかというくらい張ってある。稜線が青空を背景によく見えている。ここから左
へトラバースし尾根がV字にえぐれたところを目指す。踏み跡はしっかりしていて不安はあまりない。二つ目のV字状のえぐれたところを過ぎると勝間ケルンが見えてきた。
展望はよくてユートピアの上を歩く二人のハイカーが良く見える。右がすごい崖になっていて見ているとひやひやする。このトラバースする斜面は1m積もると灌木が隠れて
雪の斜面になるだろうし雪崩が怖そう。

 11時40分に三鈷峰・ユートピア分岐に到着した。西側の展望が開けて雪化粧をした矢筈ヶ山その右には甲ヶ山が良く見える。11時45分にユートピア避難小屋に到着した。
12本アイゼンを装着しストックをピッケルに代えて上へと向かってみる。三鈷峰分岐下の斜面にハイカーが見える。上から男声が下りてくる。聞くと当初は北壁を登攀する
予定だったけど雪が少なく剣ヶ峰を狙ったようだが天狗の手前がシャーベット状の雪で断念したとのこと。昨日は三ノ沢から狙ったもののさらに雪の状態が悪く槍ヶ峰周辺
で道がわからなくなり断念したらしい。三ノ沢は日当たりがここより良いので雪の状態はさらに悪いらしい。話をしていると天狗方面のガスがとれて全貌がみえていた。天狗
ヶ峰を中心として左には槍ヶ峰、右には剣ヶ峰が見えている。

 象ヶ鼻の上は霧氷で岩々が覆われている。でも雪はシャーベット状とのこと。振子沢はほぼ雪に覆われていてスキーができそう。写真を撮りながらゆっくり登っていき小
屋から1時間歩くと右側がすっぱりと切れたところに出てきた。えぐれており踏み抜きそうなのでその上の踏み跡でははく左側の踏み跡を歩く。 この辺りから気が抜けない
緊張した登りが続く。シャーベットなのでアイゼンは利かない。右側をのぞき込むと異様な雰囲気の地獄といった名称が相応しい荒々しい谷が見えその先は暗いガスに覆
われている。

 12時50分に象ヶ鼻に到着した。13時には引き返すと決めガスがとれるのを待つ。すると13時にガスがとれて全貌が見えてきた。ものすごい迫力だ。アルパインをやる人
にとっては見慣れた感じの景色かもしれないけどハイカーにとってはほんと圧倒され動けなくなるくらい迫力がある。 13時10分に象ヶ鼻を離れて下っていく。左手がすっぱ
り切れているため注意をしながら下る。えぐれたところは見落とさぬように注意し迂回して下りていく。尾根の右は雪の斜面だけど左は崖で転落したらやばい。振子沢の向
こうに烏ヶ山が見えている。日が照るととても美しいのだろうが残念ながら日が照らず時々山頂がガスに隠れている。

 振子山・大休峠分岐から2,3分で避難小屋に戻ってきた(13時半)。ここでカップラーメンを食べるも駐車場で沸かして入れたお湯の温度が低くて固い・・。アイゼンを外し
てピッケルからストックに持ち替えた。食べてすぐに分岐(13時40分)から下っていく。

 支尾根のえぐれたところを過ぎて上宝珠越へ14時に到着した。左が崩壊した狭い尾根上を進む。これから通る尾根上の登山道が見えているがこんなところをほんとに登
ってきたのかと思うほど険しく見える。ガレ場をぐんぐん下る。 夏山登山道の六合目避難小屋にたくさんのハイカーがいるのが見えている。弥山方面はガスに覆われてい
ることが多かったけれどもガスがとれてきた。北壁に湧き流れるガスを見ていると面白く時がたつのを忘れてしまう。尾根上を進んでいくと中宝珠越に到着した(14時40分)。

 ここからはあまり険しいところはない。15時15分に下宝珠越に到着し下っていくが雪があまりなく膝にこたえる。15時35分に林道が出てきた。10分で元谷からの道に合流し
大神山神社を経て16時10分に南光河原駐車場に到着した。橋からはかかっていたガスがとれて荒々しい大山北壁が見えている。今回はタイミングバッチリのユートピア雪
山ハイクだった。途中で登山者は10人もおらず静かなハイクを楽しめた。

私のコースタイム(休憩含))南光河原駐車場8時10分→林道9時→下宝珠越9時半→上宝珠越11時15分→分岐11時40分
→ユートピア避難小屋11時45分→象の鼻12時50分〜13時10分→ユートピア避難小屋13時半〜13時40分→上宝珠越14時→下宝珠越15時15分→林道15時35分→南光河原駐車場16時10分


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