15年 | |
03/06/21 | ゲロク谷右俣遡行・美しい原始の森の沢登り |
京都北山・京都西山・芦生・丹後・丹波・京都周辺 |
★ 【芦生の森】地蔵峠・三国峠から芦生研究林への入林禁止について ★ 癒しの森として、囲炉裏の山仲間にもフアンの多い芦生研究林ですが、貴重な森林を形成している 由良川源流域は、野生生物による食害と病虫害、そして広大な幽玄の森という趣だったのですが、バス ツアーが入ったり、テレビCMに使われたりと入林者の増加に伴う歩道(周辺)の拡大と踏み固めにより、 森林の荒廃が急速に進行。加えて入林者の事故や遭難も発生。 このような状況を少しでも改善するため、2006年6月より地蔵峠・三国峠からの入林が現在禁止され ています。自然は、一度壊れると、もとに戻すのは大変な事です。 なお、教育や研究等で入林の必要がある方は、本研究林事務所にて手続きが必要となっています。 京都大学の芦生研究林のHP「おしらせ」をご覧ください。 http://www.fserc.kais.kyoto-u.ac.jp/asiu/ |
03/06/21(ゲロク谷右俣遡行・美しい原始の森の沢登り) |
駐車場にて準備中 | 芦生の無料駐車場にて |
矢問さんからお誘いを受けてゲロク谷に行くことになった。メンバーは久々
の沢登りになるてるさんと矢問さん、みーとはんの四人。石ヶ平谷では大き
な滝は全部巻き巻きしてしまったけど今回は四人で行くから登れそうなのは
登ってみよう。
芦生ゲロク谷へ向かって歩く | 右手にトロッコ軌道がでてきた |
当日夕方にみーとさんが帰ってきて急いで準備をして集合場所の矢問邸
へ向かう。到着してみるとまだ時間があったのでコンビ二でトポのコピーやら
食料などを買って矢問さんと三人でてるさんの到着を待った。そしててるさん
がこられた所で矢問さんの車で夜の十時半頃に芦生へ出発。
橋を渡っていよいよ谷ぞいの道へ | 赤崎谷出会い前で迂回道へ |
久々の車に乗せてもらったので酔ってしまいヤバイ状態になりそうになりな
がらも寝てしまって起きたら芦生に到着していた(十二時)。道の駅あたり
で矢問さんとてるさんは車中泊、僕らは近くにテント張って寝た。翌朝は四
時半起床(-_-;)。
小ヨモギ谷作業所付近の美しい白樺林 |
みーとさんが四時頃に起きてゴソゴソする音に起こされた。仕方なく朝飯を
食べて矢問さん達も起きてきたのでテントをたたんで芦生の登山口へと向か
っていく。山々には濃いい霧がかかっている。
ミシミシきしむ木橋が時々出現 | カヅラ小屋で登攀準備をする(写真1) |
登山口には十分もかからないうちに到着した。けっこう広い駐車場だ。トイ
レもある。みーとさんと私は登山靴で、矢問さんはビブラムとフェルトを交換
できるニューな沢靴、てるさんはみーとさんが今回新調したモンベルの通称?
ぐにゃぐにゃ靴だ。五時半に芦生の登山口を出発した。
カヅラ谷を登っていくと右にゲロク谷が出てくる |
右に林道があるのでそっちかなあと思ったらまっすぐ歩いていく。五分ほど
歩くとトロッコの軌道がでてきた。てるさんがうれしそう。由良川にかかる長い
橋を渡って谷沿いの道を歩く。このトロッコ道が帰りにはきついんだよと矢問
さん。みーとさんは楽しそうにトロッコ軌道の中をテクテク歩いている。
ゲロク谷出合にて、カヅラ谷を挟んで向こうに見えるのがゲロク谷(写真2) |
左に民家?や田畑を見て山の中のずーっと続く軌道の上を歩いていく。通
行止めという赤い文字看板がでてきた。矢問さんによるとこの先は崩壊して
るらしい。左に下っていく。下山の時はここ 赤崎東谷に降りてくるとの事だ(
6時05分)。少し歩くと左手に作業小屋がでてきた。小ヨモギ谷作業所だ。右
手の白樺林が美しい。
二条二メートル斜滝が現れた(写真3) |
さらに進むと岩壁にこれまた恐い橋がある。まず矢問さんが渡るけど後半
でミシっと底板が沈む。最後にてるさんが通過。体重のある人はかなり恐そ
うだ。
明るく気持ち良い沢だ | 斜滝2mは矢問さんが左から巻く(写真4) |
また崩壊しそうな橋がでてきた。おそるおそる通過。あんまりやばそうな
橋はみんな迂回路があるので沢にくだって通過。でも先行者の足跡が橋に
ついているので思い切って私は歩く(こわ〜)。
ナメの上の木の立てかかった二メートル滝を登る矢問さん・てるさん(写真5) |
さらに歩いていくとカヅラ小屋だ(写真1)(6時50分)。沢靴に履き替え登攀用具を身
につけてトロッコ道を再び歩くとすぐに通行止め看板がでてきた。カヅラ谷に
かかる橋が崩れているようだ。はて迂回路は?と探したら左下に板が沢に
かけてあるのでそちらへおりてカヅラ谷につけられた踏み跡を登っていく(7
時15分)。しばらく歩くと右手に沢がでてきた(7時30分)。矢問さんとてるさん
がGPSで位置を確認し(写真2)ゲロク谷に間違いないので遡行していく。
五メートル斜滝は矢問さんが右水際を登るがホールドが少なそう(写真6) |
石ヶ平と違い原生林の美しい入り口だ。しばらくゴーロを遡行していくと二
条二メートル斜滝が現れた(写真3)。これは上に岩が出っ張ってるので登れず左か
ら巻く。左に枝谷がある。鹿の骨が岩の上に散乱している。カヅラ谷にもい
くつか見られたがこのあたりはかなり動物が多そう。
二メートル斜滝は僕らも登る(写真7) |
ちょっとした倒木帯をすぎ小滝を巻いたり登ったりしていく。ちょっと広い釜
を持った斜滝二メートルは矢問さんが左から巻いている(写真4)。上に大岩がでっぱ
っていて通過しにくそう。
倒木の倒れ掛かった二条10m(写 真8) |
緑の美しい小滝群の中を遡行していくとナメの上の木の立てかかった二メ
ートル滝だ。水流が多く直登するのはちょっと難儀するかな。面白そうだとて
るさんが踊る(@_@)。倒木を使って全身ずぶ濡れになりながらてるさんが右よ
り、矢問さんが左よりをアタック(写真5)。矢問さんがうまく倒木を使ってクリア
し続いててるさんも続く。
二条10mを右岸から巻き中 | 沢に復帰すると左俣だった(写真9) |
矢問さんが登れーと声をあげるけど軟弱隊の僕らは右からそそくさと巻い
た。続く五メートル斜滝は矢問さんが右水際を登るが上部で手ホールドが少
なくちょっと苦労している。他の三人は右の草付きから巻く(写真6)。
次々の滝が現れ続く二メートル斜滝はてるさんが最初に挑戦(写真7)。岩が左か
ら覆っていてしかも狭いので登りにくそう。下から矢問さんがてるさんに声を
かけてる。左の岩にホールドを見つけクリア。矢問さんも続くが僕らはシュリ
ンゲを出してもらいクリア。
右俣最初の滝である八メートル滝を登る矢問さん(写真10) |
これを登ると前に大きな左の流れに倒木の倒れ掛かった二条十メートル
が見えてきた(写真8)。なかなかの迫力だ。みーとさんが手前の小滝を登り
みんなも続き美しい滝を鑑賞。これはパウッとかまちゃんのかまさんが苦労
して登った滝じゃ?とみーとさん。普通は登らず巻くらしい。
僕らはザイルを出してもらい登る | このすぐ上の斜四メートル(写真11) |
てるさんが登りたそうに見ているが時間がかかりそうなので右岸の巻き
道を探す。ちょっと降りた所にあるんじゃ?と探すと小滝の横に巻けそうな
所を見つけ登っていく。けっこう嫌な高巻きでずるずる滑りそう。まずてるさ
んが登っていき矢問さんが続きシュリンゲを出してもらい僕らはクリア。下に
はもうひとつ上の八メートルが見える。この上に復帰するはずだからもう少
し巻こうと巻いていくととうとう尾根上まで上がってしまった。
みーとさんノーテンでクリア | ツルツル滝は断念して右巻き(写真12) |
少しやせた所をすぎると右下に沢が見えるのでここがトポに書いてある
懸垂下降の場所だろうと少しガレを下っててるさんがまず下降。でもここだ
ったらなにも懸垂下降しなくていいんじゃ?とみんな。矢問さんと私はザイ
ルをつかんで降りて(写真9)ワンピッチで沢まで届かないので更にロープを
たらした。
ここは左俣じゃないですか?とみーとさん。GPSで確認すると確かにその
ようで150メートルほど入ってしまったようだ。難なく分岐まで下って右俣へ
復帰し遡行していく。
二メートルほどの小滝が続く |
すると八メートル滝が現れた。トポによるとこれは直登らしい(@_@)。こんな
ん登れるかなあとちょっと心配。めっちゃ水冷たいし。でも対照的に待ってま
したといわんばかりにてるさんが直登していく。登り方をみてると完全にクラ
イミング登りだ。右水際を軽快に登る。続いて矢問さんが続く(写真10)。みー
とさんと私はビレーで登る。みーとさんは今までと違って苦労しながらもテンシ
ョンなしでクリア・・靴が変わったからかなあ。続いて私が登るがめっちゃ水が
冷たい。五秒ほどつけてると手がしびれてくるので難儀するけどなんとかクリ
ア。
このすぐ上の斜四メートルもきつそう。まず矢問さんがトライするも手ホー
ルドがなく代わっててるさんがアタックし倒木をうまく使ってクリア。てるさんの
ビレーで矢問さんがクリア(写真11)しみーとさん。最初足ホールド探しに苦労
していたものの何とかクリア。続いて私が登るが確かにホールドが少なく苦
労する。めちゃめちゃ冷たいので右に逃げるとスリップしてワンテン(-_-;)でク
リア。
続く四メートル斜滝はてるさんが釜に使って偵察するもまったくホールドな
く断念し右から巻く。登ってみようかなと左水際をアタックするもツルツル。て
るさんがビレーしてくれたけどなすすべなく断念して(-_-;)右から滑りやすい
草付きを巻いた(写真12)。
大きな十メートル滝が現れた、直登可能らしい。(写真13) |
この上は美しい原生林のゴーロが続く。てるさんと大峰とは違った美しさが
あるねえ話す。大きな桂の木があちこちみられる。写真やテレビでみる屋久
島の森みたいな雰囲気がある。じっくり三脚を構えて写真を撮りに来たい所
だけど僕ら二人じゃ無理だろうなあ。
どうやって登ろうか考え中のてるさん | 矢問さんが右岸より巻いていく |
ここから二メートルほどの小滝が続く。てるさん、矢問さんが果敢に登って
いく。僕らも登れそうなのはアタックしていく。ゴルジュ帯の中を行くと倒木帯
が再び現れた。この上は沢に日があたるすごく美しい別天地が広がる。
てるさんがついに登り始めた |
もう稜線が近いのか山のラインが前方に見えてきた。沢に倒木がたまって
いる所を通過する。みーとさんはスッとくぐったけど体の大きなてるさんはち
ょっと苦労?私もなんとかくぐり前方に八メートル滝が現れた。てるさん矢問
さんに続き僕らはザイルを出してもらいクリア。するとさらに大きな十メートル
滝が現れた。トポによると直登可能らしい(写真13)。てるさんがどうやって登
るんだろうとじっくり見ている。
無事クリアして万歳のてるさん |
矢問さんとてるさんがかなりあーだこーだと話してるさんが右水際を少し
登ったりしている。結局矢問さんが危なかったらザイルを出すことにしてて
るさんがアタックすることに(こわ〜)。矢問さんがすぐ手前の右岸をぐんぐん
巻いていく。一方てるさんはクラックスでするように手でこうやってあーやっ
てとシミュレーションしてる。苦労しながらやっと滝を巻いていくと十メートル
をてるさんがクリアし万歳ポーズ。
流れは小さくなってきた |
矢問さんにザイルはいらないよと言いすぐ上の十メートルもクリアした。
二メートル・六メートルは登れそうにないので左から続いて巻く。流れが少な
くなり源流の様相になってきたかと思えば大きな六メートル斜滝が現れた(写
真14)。矢問さんがまずトライ(写真15)。ずぶ濡れになりながらホールドを見つ
け登っていくけどかなり苦労している。中段でスリップしヒヤヒヤどきどき。続い
ててるさんがクライミング登りでクリア。続いてみーとさんがザイル(写真15)で、
続いて私もクリア。
もう終わりかと思いきや六メートル斜滝が出現(写真14) |
続いて逆光で光る斜滝を登る(写真16)。これは簡単。めちゃめちゃ美しい。と
うとうほとんど流れが消えたので左の小尾根に乗っかりシダの中を少し上ると稜
線にひょっこりでてきた。さて911メートルはどこだろうとみると左が高いので
地図で確認し上って大木を見てみるとピーク911と看板がある(写真17)(11時45分)。
まず矢問さんが登り無事クリア(写真15) |
ここで記念撮影をして小野村割岳をめざし東へと向かう・・がてるさんがG
PSを見ておかしい西に向かっていると方位磁石でもそう示しており戻って
みるとテープに小野村割岳とあったのでそちらへいく。僕らが沢を詰めて登
った所は稜線ではなくて北へ降りる911メートルから出た尾根のようだ。
僕らはザイル確保で登る(写真15) |
十五分ほど歩くとちょっと急な登りを経て頂上に到着した(12時15分)。五
人ほどの団体さんが食事中だった。そのわきで昼食をとる。霞んでいること
もあるけど展望はあまりよろしくない。半時間ほど休み下山を開始(12時45
分)。911メートルに戻り(13時)、赤坂東谷へ下る所を探す。
最後の逆光で光る斜滝を登る(写真16) |
間違ってゲロク谷へ降りてしまい懸垂下降連続で下ったパーテイーがいる
ようなので西へちょっと進んだ所から降りることとしたけど参考にしている記
録にあるようななだらかな所はない。あれれ?と探してなんとか降りれそうな
所を見つけちょっと急な斜面を下るとすぐになだらかな所にでてきた。水がち
ょろちょろと流れている。
水がとうとうなくなったので→ |
このまま大滝の滝口までいくのかなあと思っていたらそんなことはなく十メ
ートルほどの滝の上に出てきてしまった。さてどうしたものか矢問さんが左岸
の尾根へと大巻きしていき僕らも続く。沢に復帰しさらに進むと大滝出現。か
なりゴツイ滝だ。
左の尾根に登っていった | 稜線(と思ったのは911の支尾根)に到着 |
右岸に巻き道があるのでその消えそうな巻き道を使って巻いていく。こんな
ん道ちゃうでーこういうのがいやなんやーと矢問さんが大声をあげてるさんが
矢問節が出たーと笑う。
911ピークにある桂の大木(写真17) | 小野村割岳にて昼食 |
巻き中に大滝が見えるがすごい様相だ。ゴツイゴルジュの上に大滝がゴー
ゴー音を立てて流れている。今度じっくり拝見してみたい。この先は平流らし
いので楽になるのかと思いきや疲れた体にとっても堪えるゴーロや小滝巻
きの連続。
赤崎東谷はすごく美しい谷だったけれどそれを楽しむ余裕なくひたすら下る |
道がでてくるはずというものの歩きにくい廃道が時々でてくるだけ(-_-;)。カ
マド跡がでてきたのでちゃんとした道がでてくるかと思いきやすぐに寸断され
てしまう。ここの沢もすごく美しく大きな桂の木やブナがあるけどとても楽しむ
余裕などなく四人無言で下っていくと砂防ダムがでてきた。これを過ぎると矢
問さんが前ででてきたで〜と笑顔。やっとトロッコ道に戻ってこれた(写真18)
(15時10分)。
さてこれからも大変だ。みーとさんと私は登山靴に履き替え矢問さんは底を
ビムラムに替え黙々とトロッコ道を下っていく。長いトロッコ道をやっと歩き終
え橋を渡って車まで戻ってきた。みーとさんはまだ歩けるよとニコニコしてる
けど私とてるさんにはかなりコタえた?
砂防ダムが現れるとトロッコ道はすぐ | トロッコ道がやっと見えた(写真18) |
車で河鹿荘へと向かい汗を流し矢問さんの運転で矢問邸に戻りここで解散。
ミッキーさんと犬のヴァイザー君のお見送りをしてもらって家へと帰った。なか
なかハードな山行だったけどすばらしい自然を満喫でき大満足な一日だった。
橋を渡って芦生登山口に戻ってきた |
赤ラインが今回の経路(駐車場から赤碕東谷までは省略) |
私のコースタイム(休憩含))芦生の無料駐車場-80分-カヅラ小屋/カヅラ小屋-15分-
ゲロク谷入り口-255分-911ピーク-30分-山頂/山頂-15分-911ピーク-130分-トロッコ道-50分-芦生の無料駐車場
矢問さんの記録にジャンプ |
てるさんのHPにジャンプ |
みーとさんの記録にジャンプ |