大峰大普賢岳

12年
00/12/07和佐又山ヒュッテより、霧氷と晴天、猿、岩ナダレ
13年
01/04/08和佐又山ヒュッテより 大普賢岳から七曜岳往復 残雪に難儀
01/10/06和佐又山ヒュッテより 大普賢岳から無双洞経由にて下山、快晴
14年
02/11/07和佐又山ヒュッテより アタックするも積雪により石ノ鼻にて断念
15年
03/04/16展望(御岳・乗鞍・アルプス)あり岩あり雪あり洞穴ありの変化に富んだ周遊コース ・快晴
03/10/18 伯母谷覗コース・暗い暗い植林帯を登りきると大普賢岳の大パノラマ


03/04/16(展望(御岳・乗鞍・アルプス)あり岩あり雪あり洞穴ありの変化に富んだ周遊コース ・快晴)

ここから登る 石ノ鼻手前のハシゴ
ここから登る 石ノ鼻手前のハシゴ

 Dr.Kongさんから去年初冬に途中断念した大普賢岳に再挑戦したいと連絡が
あり天気予報で晴だった今日に登ることになった。

 過装備かもしれないけれど今回は12本アイゼンとピッケル、補助ロープを
もって登ることにした。これだけあれば問題なく頂上に立てるだろう。

朝早いので雲海が広がる 石ノ鼻より八経ヶ岳
朝早いので雲海が広がる 石ノ鼻より八経ヶ岳

 和佐又ヒュッテの駐車場に夜集合なので車で向った。天気は回復し大淀あ
たりは霧に包まれていた。新しいトンネルができよくなった国道169号で新伯
母峰トンネルを通過し和佐又へ。駐車場には車が何台かとまっている。犬が
鳴いている。例の白犬だろう。深夜にDr.Kongさんが車でやってきた。

頂上はもう少し?
頂上はもう少し?

 翌朝は雲一つない快晴だ。シュラフからでるのが嫌になるくらい冷えてい
る。ふたりとも12本アイゼンにピッケル持参。Dr.Kongさんは店の人にどちら
も借りたようだ。準備を終え去年敗退した大普賢岳を目指し登山開始(6時15
分)。

大小普賢岳間の鞍部へ
大小普賢岳間の鞍部へ

 冬にはスキー場(といってもリフト無)になる原っぱにつけられた登山道
を大普賢岳登山口の道標に従い登っていく。去年大きなツララが落ちてきた
岩窟にはごくわずかの残雪が残っているだけだ。岩窟を通り日本岳と小普賢
岳の鞍部を目指す。このあたりが去年アイスバーンになっていて苦労した所。
今回は雪がないので簡単に通過する。去年あんなに苦労した所だのに雪がな
いとなんでもない道やと話す。

鞍部はまだまだ雪がたっぷり
鞍部はまだまだ雪がたっぷり

 鞍部から北斜面を見ると雪が残っている。大普賢岳と小普賢岳の間にも雪
が残っているだろう。ハシゴとかがでてくる頃になるととうとうアイスバー
ンがでてきた。凍っている所をさけつつ登っていくと石の鼻に到着した(7時
40分)。

 今日もすばらしい展望だ。低い雲海が広がっている。太平洋は残念ながら
霞でみえない。八経ヶ岳は依然として雪化粧をしている。大普賢岳をみると
所々残雪がみえる。アイゼン着けようか?とDr.Kongさん。二人ともアイゼンを
装着する。

鞍部より頂上へ
鞍部より頂上へ

 雪は中途半端に残っていて歩きにくい。小普賢岳を巻いていよいよ大小普
賢岳間の鞍部だ。念のため、ピッケルを雪面に刺し刺し通過する。この辺り
は転倒したら下の方は絶壁になっているらしくやばい。ところがなんとDr.K
ongさんのアイゼンの一方が外れてしまった。靴がやわらかすぎたのかつけ方
がまずかったのか?鞍部には慰霊碑がいくつかみられる。

 新しくロープが張られてた
新しくロープが張られてた

 鞍部から大普賢岳目指し登っていく。日当たりの良い所では雪はないが日
陰には時々雪面がでてくる。世界遺産登録に向け整備がされているようで新
しく鎖がつけられたりしている様子だ。鎖とかなかった大昔はどうして登っ
たんだろう?とDr.Kongさんは驚いている。

小普賢岳をバックに
小普賢岳をバックに

 転落事故多しの看板のある所も残雪が残っているがロープのおかげで難な
くクリア。稜線手前から残雪の上を歩いて左の頂上を目指す。

奥駆道手前 稜線を頂上へ
奥駆道手前 稜線を頂上へ

 頂上手前に北東側の展望が開けた所があり遠くの伊吹山の右に白い山がみ
える。単眼鏡を取り出し見てみると思ったとおり加賀の白山だった。今日は
比較的くっきり見えている。その右にも雪山が見える。乗鞍岳と木曾の御岳
だ。御岳は大きくりっぱな火山型の姿をみせてくれている。これなら富士山
は見えるだろうと探すが位置がよくわからないし東は日差しで霞んでいて同
定できず。

頂上に到着 伊吹山と真っ白な加賀白山
頂上に到着 伊吹山と真っ白な加賀白山

 ヒュッテ前から2時間で頂上に到着した(9時45分)。頂上には誰もいない。
二人ともアイゼンをはずす。霞は標高千メートルまでに沈んでおり真っ青な
青空が広がっている。まだ飯には早いのでビールを飲んで景色を楽しみ少し
先の水太覗へ向った。

乗鞍岳と木曾御岳 金剛山と葛城山
乗鞍岳と木曾御岳 金剛山と葛城山

 水太覗はその名の通り水太谷方面が一望できる絶壁の上の草原で休憩する
にはもってこいの場所だ。今日は風がほとんどなく日差しがきつく暑い。黒
い顔がよけい黒くなりそう。ここでまだまだ時間があるので酔いをさますこ
とも兼ねて昼寝した。

水太覗付近より頂上 稲村ヶ岳
水太覗付近より頂上 稲村ヶ岳

 半時間近く昼寝して七曜岳を目指す。左が崖なので時々そちらへ行って大
普賢岳や東の展望を楽しむ。国見岳の東面には残雪がけっこう残っているの
がみえる。水太谷には舗装林道が作られているがどういう意味があるのだろ
う?まったくムダな公共投資だ。前方には国見岳がみえる。あれも登るの?
とDr.Kongさん。

稜線は心地よい歩きが多い 国見岳方面
稜線は心地よい歩きが多い 国見岳方面

 国見岳を右から道は巻いている。そしてその先でまっすぐはいけないよと
枯木で示してありここで左に稜線はおれる。鎖場などの悪場がでてきたが雪
はなくピッケルが邪魔だ。大普賢岳の姿が素晴らしい。大普賢岳・小普賢岳
・日本岳が並びなかなか見ごたえのある姿だ。

水太谷方面 国見岳先の岩場を歩く
水太谷方面 国見岳先の岩場を歩く

 難所を通過すると昔建物があったのか縦横5メートルほどの平らな箇所があ
る。誰かが幕営した跡らしきものがある。このあたりは尾根が広くなってお
りガスがかかるとルートミスをとり易いだろう。

難所を通過すると建物跡? 雪が積った深いくぼ地
難所を通過すると建物跡? 雪が積った深いくぼ地

 右手に雪が積った深いくぼ地がある。七つ池かなあ?でも水はたまってい
ない。ようやく最後のピークである七曜岳への登りだ。ハシゴや鎖場をすぎ
ると水平ハシゴの所にでてきた。ここからは稲村方面が最高の眺めだ。Dr.K
ongさんもこの大パノラマに感激の様子。少し先の七曜岳頂上で休憩する。こ
こまで来ると八経ヶ岳が大きい。

ハシゴや鎖場を歩いて水平ハシゴへ 七曜岳山頂より大普賢岳
七曜岳頂上を目指す 七曜岳山頂より大普賢岳

 あとは下山するだけだけどこれからがすごくきつい。Dr.Kongさんに激下り
があってそのあと激登りだよと伝えておく。

八経ヶ岳が近くなった バリゴヤ谷の頭と稲村ヶ岳
八経ヶ岳が近くなった バリゴヤ谷の頭と稲村ヶ岳

 いよいよ下山にかかる(13時半)。七曜岳から百メートルほど進んだ所に奥
駆道との分岐があるので無双洞方面へと左へと下っていく。ロープ、鎖、ハ
シゴの続く激下りだ。あちこちに大岩・絶壁があるのでクライミング好きの
Dr.Kongさんはへばりついたりホールドを探したりして楽しんでいる。

奥駆道を離れ無双洞へ
奥駆道を離れ無双洞へ

 十五分ほど転げるように下っていくと激下りはいったん終り。左には高く
なった大普賢岳などの険しい山並みがみえる。ここで記念撮影しさらに下っ
ていく。道が不明瞭なので先を行くDr.Kongさんが道を見失ってしまう。大普
賢岳から無双洞のコースはガスると道が不明瞭であるがゆえに危ない。

激下りが続く あちこちに大岩・絶壁がある
激下りが続く あちこちに大岩・絶壁がある

 上から五人ほどの団体が下ってきた。七曜岳付近で聞こえていた声は彼ら
の声だったようだ。池のそばを通り(14時)尾根を離れ左の沢へとむかってふ
たたび激下っていく。沢の音がゴーゴーと大きくなり沢すじがみえてきた。
抜かした団体さんが下りているのが見える。

池のそばを通り尾根を離れる 無双洞の谷へ
池のそばを通り尾根を離れる 無双洞の谷へ

 やっと沢に下りると無双洞だ(14時40分)。Dr.Kongさんに入ってみようとい
うとオッケー。ヘッドランプを持って入っていく。入口にはお地蔵さんが祭
られている。ハシゴを登って水の流れていない方から入っていく。5メートル
ほどで終わりかなあと思っていたけどどこまで続くのかな?。はしごを降り
たり水が流れてたりする。入口から奥へとロープが続いているのは迷わない
ためだろう。鍾乳石はなく時々枝分かれしている。三十メートル以上進んだ
だろうくるぶしまで浸からなければならなくなりそこで断念し外へとでた。
用心しなければ外へでれなくなってしまいそう。

無双洞にて
無双洞にて

 970m付近で水太林道との分岐に到着しここはもちろん和佐又山方面へと進
む。頭上には岩山が取り囲んでいる。いつもみる大普賢岳とは違った姿をし
ている。山腹をトラバースして涸れ沢にでてきた。初めて来た時ちょっと戸
惑った所だ。岩が石灰岩でできている。よくみるとテープがあるし道標もあ
るのでそれに従い少し登って沢を渡る。

 道が悪くおまけに急なので疲れる。絶壁の下を通りしばし休憩。足場の悪
いガレ場や岩場が続きかなり疲れる。珍しくDr.Kongさんもたまによたついて
いる。猿ヶ馬場から三日ほどしか経っておらず疲れが取れてないんだろう。
テープが少なく探しながら登っていくとようやく底無井戸だ。覗きこみたい
けど足にきてるんで落っこちそう(15時40分)。

登り返しが厳しい 足場も悪く疲れる
登り返しが厳しい 足場も悪く疲れる

 ここまで来ると道はよくなり山腹を行く水平道(といっても少しづつ登っ
てる)で気分は楽になる。バイケイソウ群落があちこちにある。三角の和佐
又山がみえるとようやく和佐又山・大普賢岳分岐だ。ヒュッテまで下ってい
き(16時40分)駐車料金を払いジュースを買って休む。今までで一番キツかっ
たとDr.Kongさん。週末に槍ヶ岳へ行こうと言っていたけどこれだけ疲れてた
ら無理だと断念された。

底無井戸までは落石注意 底無井戸
底無井戸までは落石注意 底無井戸

 ヒュッテ前をあとにして入之波温泉(しおのは)五色湯へ行くともう終りま
したといわれ文句たらたらで吉野町樽井の中荘温泉へと向った。こちらも入
浴時間をすぎていたけど親切にもいれてくれて大助かり。Dr.Kongさんと別れ
大阪へと帰った。ひさしぶりの周回コースでなかなか楽しめた山行だった。

大普賢岳を振り返る 和佐又山が見えてきた
大普賢岳を振り返る 和佐又山が見えてきた

ヒュッテ前の草原より大台ケ原 ヒュッテに到着
ヒュッテ前の草原より大台ケ原 ヒュッテに到着

私のコースタイム(休憩含))和佐又山ヒュッテ登山口-210分-頂上/頂上-180分-七曜岳
              -50分-無双洞-120分-和佐又山ヒュッテ登山口


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