子ノ泊山906.7m(三重・紀和町

14年
02/11/04 立間戸谷遡行・美しくスケールの大きな沢
02/11/17 立間戸谷遡行・BAKUさんと三人でリベンジへ


02/11/17立間戸谷遡行・BAKUさんと三人でリベンジへ(三重・紀和町)


 前回11/4の遡行では本流から枝沢へ入るポイントを間違ったので今回は
ぜひ予定通りのコースを遡行してみようとBAKUさんからの呼びかけがあり
参加することになった。

 14時半頃に家に帰りどたばたと準備をして15時に集合場所のコンビニで
BAKUさんの車に乗り夕食の鴨鍋食材を買いにスーパーに買いによって三
重県下和気へと向った。BAKUさんによると明日は晴れのち曇の予報にか
わったらしい。


 水越トンネルを越えて五條へ、五條からは国道169号に入り19時すぎに今
日のテン場である登山口近くの広場に到着、三人でワイワイと話しをし22時
頃に就寝した。夜中には鹿の鳴き声やサルの群れの騒いでる声が聞こえて
賑やかだった。

暗いうちにテント撤収 小さな橋を渡り登山口へ


 翌朝五時半に起床、でもまだ暗く寒い。ゴソゴソしているとようやく薄明るく
なってきた。昨日の鴨鍋の残りを食べて準備を終え6時45分に歩きはじめた。


 子ノ泊山登山口・源助之滝との看板の所から登っていく。薄暗い植林帯
の中をしばらく進んでいく。左手には昔々の住居跡だろうか苔むした石垣が
残っている。


 植林帯を過ぎると潅木が繁る中州へと進んでいく。これをテープと踏跡に
従い登っていくと右手にも白テープがある。これは前回間違って進んでいっ
てしまった大きな滝(名は不明)へ行く道だ。今回は上流への道をテープに
従い登っていく。


 するとやがて左岸に入る。それを赤テープに従いさらに登っていくと胎内く
ぐりの岩に到着。これをくぐって岩の上へでた。赤テープぞいにさらに上流
側へ進んでいくと河原に出てくるからそこを(少し迷い易い)右岸に渡り沢か
ら山へと入っていった。


 左に和気の森への分岐を見送り進んでいくと源助之滝への道標が出てく
る。滝の姿がちょこっと見える。水量豊富な滝だ。今回は水量が多そうと
BAKUさん。



 ここから源助之滝を左へと道は巻いていく。百五十メートルの岩壁の下を
通り急な登山道を登っていく。登りつめると岸壁の上を進む水平道だ。すば
らしい眺めだけれどちょっと怖い。岩壁に石積を積み上げ作られた古い道だ。
こんな所によくもまあ道を作ったなあと感心する。熊野川から涌き出た霧が
霧の川になって流れている。



 落ち葉の敷き詰められた沢沿いの道を登っていく。だんだん沢が近くなり
ちょっとした岩場がでてきた。ここは道が崩れてしまっているけどちょうど長い
一本の草木があるのでそれを掴んで先へ。


 腐った木橋や鉄ハシゴとかを渡って左岸沿いに進んでいくとテン場ポイン
トに到着した。ここから少しの所に屏風滝と本流の二股だ。ここで本流は右
に折れ10メートルの斜滝がまっすぐ行くと屏風滝だ。前方には屏風岩が日の
光を浴びて光っている。ザックをデポして前回時間がなくて見に行けなかった
屏風滝へと向かう。


 ゴーロ帯の大岩を越え越え屏風滝に到着。みーとさんは手前の岩を越える
のに一苦労。左には屏風岩の大岩壁が、右には屏風滝がそびえすごい迫力
だ。それに紅葉がものすごく美しい。午後になると屏風岩にかわり滝が日を
浴び光とのこと。屏風滝と屏風岩を見れただけでも大満足。

紅葉の中の屏風滝はすばらしい


 あまり時間がないので十分ほど雄大な景色を堪能し二股に戻った。再びザ
ックを背負って本流の遡行を開始。

最初の十メートル滝を左岸より巻く


 BAKUさんに勧められてみーとさんが最初の10メートル滝の右を登りはじめ
た。しばらく固まっていたけどその後はすんなり登っていった。私もBAKUさん
に続いて登る。


 そしたら上はナメが二十メートルほど続いておりその先に左から七十メート
ル直瀑の牛鬼滝が出現した。しばらく鑑賞した後、BAKUさんは滝の右スラブ
を十メートルほど登っていき樹林帯へ。僕らははじめから樹林帯へ入り木の
根っことかを掴んで滝口の右上にでてきた。でも下りれないので少し進んだ
所から再び沢へと下りる。


 下りた所はゴーロになっているけどここからの景色がまたなんとも言えなく美
しい。沢はすべて岩盤でできており水流が長い年月を経て削りできたもので広
く浅い滝壷(別称中華鍋の淵)の向こうには十五メートル滝、さらにそのバック
に五十メートルほどの岩壁が見える。

中華鍋の淵の向こうには十五m滝


 みーとさんが鍋淵の左岸を滑らないようにそーっと通過。私は思いきって水
に浸かってパス。十五メートル滝も左岸の樹林帯へと巻く。すると四十五メー
トル直瀑が目の前に現れた。紅葉と滝がマッチしてすごく美しい。

どっちもこっちも紅葉真っ盛り


 前回は右へと巻いたけれど今回はトポに従い左巻きをする。鋭角三角形の
右岸のヤセ尾根を登っていく。こんなところ登れるの?と思ったけど踏跡やテ
ープもあり意外と簡単に登っていける。みーとさんが先頭だけどここもすんなり
登っていった。上へ上へと木の根を掴んで登っていくと今度は右の滝口上へ
とトラバース。最後の滝口にでる所がちょっとイヤらしくBAKUさんが念のため
まず最初に私のビレ-で通過しつぎにみーとさんがプルージックで通過。最後
に私が通過した。

 ここも岩壁に囲まれたナメ床になっておりまたまた先には滝が見える。この
幅広の三十メートル直瀑は右(左岸)を巻く。前回はすぐ先で下りたけど今回
は立間戸名物のやせ尾根を行きたいので右に巻いてそのまま尾根に登って
いく。左下にはナメ床がずーっと続いているのがみえ、反対側には下をみると
高度感あふれる光景が広がる。紅葉の立間戸谷が一望できすばらしい光景
だ。

左下にはナメ床がずーっと続いている
立間戸名物のやせ尾根より立間戸谷


 撮影のためにじーっと見てるとちょっとクラクラしてくる。よほどのことがない
限り落っこちることはないだろう。手も足も木や岩などホールドだらけで簡単
に通過できる。天気は良いし紅葉はすばらしいし最高の日だ。こんなチャン
スに恵まれいうことなし。

子ノ泊山周辺の山々は険しい
再び沢へ復帰中


 トリケラトプスの背中のような尾根を登っていくとBAKUさんがさっき左の沢
へと下りていく踏跡があるはずと少し戻って踏跡を見つけ下っていく。ちょっ
と急だけどすんなり沢へと下りることができた。しばらく長く美しい紅葉のナメ
床を歩いていく。左岸には下山に使う壊れかけた木橋のかかったソマ道が
続いている。

美しいナメ床 左岸につけられた登山道


 ナメが終わった所から少し進むと右手に作業小屋がでてきた。ここは二股
になっており左はゴーロが続く。本流は右だ。小屋の上流側には上(空?)
を指し示した和気との道標があるがそれは間違いである。小屋から下流へ
二十メートルほど行った所からテープや踏跡に従い下っていくのが正解。

植林小屋(作業小屋)の所に到着
お昼中


 小屋を見送り右の本流を遡行していく。流れの少ないゴーロ帯を進むと前
回本流と間違い入った枝沢が合流してきた。合流地点には土石流が起こっ
た跡だろうか土石がたまって盛り上がっている。(N33-47-35-4.E135-55-2
9-9)。ちょっと進んだ所でお昼となった。

ナメ床がかなり長い間続く


 今回はさらに本流を登っていく。このあたりは紅葉がものすごくきれい。時
々立ち止まって感激。これだけ美しい紅葉は今年初めてだ。すべったらドボ
ンの浅い釜の左ふちをみーとさん、BAKUさんが行く。私はまたまた水の中
を行く。

斜滝と格闘中のみーとさん


 ゴーロを過ぎると斜度のゆるいナメ滝がでてきた。ここでBAKUさんが遡行
図で確認。千メートルナメの始まりだ。ナメを進んでいくと六メートル滝が現れ
BAKUさんとみーとさんは左岸を登る。私は右岸を巻いた。ここも紅葉に美し
いナメ、青空と信じられないほどの心地のよい沢歩きが続く。

予定より手前の枝沢に入ってしまった


 どこまで続くの?というみーとさんの言葉がわかるような気がする。づーっ
とづーっと歩いて右にゴーロの枝沢を見送り続いて左にナメ沢が合流。さら
に歩いていくとBAKUさんが立ち止まりそろそろ左へはいらなきゃと遡行図を
みる。さっき左からナメ沢が合流したところが二股かな?と念のためにBAKU
さんがさらに進んでもどってきて間違いないだろうと少し下って右岸へとそそ
ぐナメ沢へと入っていった。

めちゃめちゃ急になってきた


 でもなんかおかしい斜度がグングンきつくなっていく。幅も5メートルほどに
なり沢が浅くなってきた。ますます沢がキツクなり歩きにくくなったのでみーと
さんと私は左岸の樹林帯へと逃げる。そしてBAKUさんも左岸に逃げ登って
いくと右上が明るくなってきて登山道に合流。

とうとう右の植林帯に逃げた 釈迦ヶ岳から大普賢岳へ続く大峰山系


 尾根上の道を登っていくと林道を横切りふたたび林道を登っていうくと頂上
ちょっかを走る林道にでてきた。そこからちょっと登ると頂上に到着(13時10分
)。前回はすごく寒かったけど今回は南紀の山だなあと思えるほどのポカポカ陽
気だ。展望も美しく釈迦ヶ岳から大普賢岳、大台ケ原などの山々、太平洋がく
っきりみえる。

熊野灘が良く見える 今回は釈迦ヶ岳がくっきりみえた


 思ったより時間がかかったので二十分ほど休んで下山を開始(13時半)。下山
はもう道がわかっているので迷うことはあるまい(とこの時は思っていたが)。
今回は頂上北のペンキの矢印の所からでなく登る途中に合流してきた登山道を
下っていく。

 尾根道を下っていくと尾根を南北に縦断するT字路にでてきた。看板があり
北へ行くと和気とある。BAKUさんがトポで南に行くと本来は通るそばを通る
予定だった二つ目の植林小屋であることを確認。途中まで行ってみたけどま
だだいぶん下らなければならないことがわかってひき返し北へと進んでいく。
やがて道は尾根を下っていく。でも前回こんなにイバラがこんなにあったかな
あ?

 比較的明瞭な道を下っていくと沢にでてきた。BAKUさんがこんな所あった
かなあ?と言う。でもなんか見たことがあるような・・・と私とみーとさん。沢に
下りるとトタンとかが転がっている。昔作業小屋があったのかもしれない。道
は沢を横切りさらに進んでいるけどテープがない。分岐を見落としたのかも?
と思いさっきの植林小屋とのT字路まで戻っていくことにした。

 時間があまりないので分岐を見落とさないよう注意しつつ急いで戻っていく。
でも結局見つからなかった。やむなくふたたび北へと進みさっきの沢に下りそ
こから続く道を進んでいく。腐った木橋とかがありこれはあきらかに前回歩い
た道ではなくそれにちょっと不明慮だ。BAKUさんによると昔BAKUさんやたこ
やきさん達が歩いた道だろうとの事。

 ずーっと進んでいくとBAKUさんが前方で待っている。尾根に出た所でやっと
前回下った道に合流した。あとはこの道を下っていくだけ。道は明瞭でラクラク
歩ける。尾根を下っていくとやがて前回迷入した支流に下りてきた。そこから
ちょっとで本流。ここで沢靴を登山靴に履き替えた。

 遡行中に通った作業小屋まで本流を下っていく。小屋の上流側に和気との
道標が指しているのは尾根の上だ。でもこれに従うといたい目にあうようだ。
小屋の下流側に赤テープがありそれが正解。小屋からちょっと下った所から
赤テープに従い左岸ぞいにつけられた道を下っていく。廃道間近なような道だ
けどテープがついているのでそれに従うと良い。

 やがて沢沿いを離れすごい岩壁の上をトラバース。道幅はあるのでぜんぜん
問題はないけどすごい高度感だ。でもこれからが大変。落ち葉の積もった苦手
な道が続く。ちょっとイヤな道が崩れた所をすぎてグングン下っていく。ちょっと
テープが見つからなくなり探したこともあったけど順調に下っていく。尾根を下
り出したのでもう安心かなあと思いきやイヤなルンゼ渡りがでてきた。

 気持ちが悪いのでBAKUさんに上巻きを誘導してもらいなんとかパス。このあ
とはクタクタになりながらも支流に下りることができた。これを下るとテン場ポイ
ントだ。

車にもどった頃にはすっかり日が暮れた


 もう時間がないのでテン場で少し休んで登山道を下っていく。源助滝を右岸
に巻いて沢に下りた。胎内岩をくぐった所で薄暗くなってきた。暗くてテープが
わからない。時々テープ探しをしなければならなくなった。もう少しという所でと
うとう道を完全にはずすがなんとか登山口に到着。無事下山することができた(17時 半)。
 川湯温泉の公衆浴場で汗を流しラーメン屋でお腹いっぱいに食べBAKUさん
に家まで送っていただいた。完全に予定通りとはいかなかったけれど今年最
後の沢を締めくくるのにふさわしいものとなった。



茶色ラインが今回のルートと思われる







私のコースタイム(休憩含))子ノ泊山登山口-6時間25分-頂上/頂上-4時間-子ノ泊山登山口
                   


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